クラウド会計ソフトの選定
クラウド会計ソフトの選定は、企業の成長段階や業界特有の要件に合わせて検討する必要があります。まず、大きく3つのタイプに分けられます。
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企業規模の拡大に対応するタイプ:
- 中小規模企業向けに、将来的な成長に備えた機能を提供している。例えば、「マネーフォワード クラウド会計」や「freee会計」が挙げられます。
- 上場企業やIPO準備企業向けには、内部統制や監査機能を搭載したプランが用意されており、スムーズな移行作業も可能です。
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中小企業向けのタイプ:
- 起業直後から中規模までの企業に適しており、基本機能に加えて銀行取引自動取り込みやレシート撮影などの業務効率化機能が充実しています。使いやすい操作性やセキュリティの強化も重要です。
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特定業種に特化したタイプ:
- 特定業種の要件に対応した会計ソフト。例えば、飲食店向けの「HANJO 法人会計」や建設業向けの「勘定奉行クラウド 建設業編」などがあり、業界特有の機能やデータ分析が提供されています。
比較ポイントとして以下の4つが挙げられます。
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連携サービスの対応範囲:
- クラウド会計ソフトが他のシステムやサービスと連携できるかが重要です。例えば、「弥生会計オンライン」や「freee会計」は、請求書作成やPOSデータの取り込みなどで連携が可能です。
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電子帳簿保存法への対応:
- 電子帳簿保存法に対応したソフトは、データ化された帳票と仕訳を1画面で確認でき、手間や管理コストの削減に寄与します。「ジョブカン会計」は、スマホやスキャナでの取り込みが可能。
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作成できる帳票の範囲:
- 会計帳票以外にも作成できる帳票や分析レポートが多いほど柔軟性があり、経営判断が容易になります。「マネーフォワード クラウド会計」や「FXクラウドシリーズ」は多彩なレポート作成が可能です。
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バックオフィス業務の効率化機能への対応:
- 同一シリーズのソフトを統一することで、バックオフィス業務をまとめて効率化できます。例えば、「勘定奉行」「マネーフォワード」「freee」「ジョブカン」はシリーズ展開があり、必要な機能を選択して統合できます。
まとめて言えるのは、クラウド会計ソフトの導入により手入力の作業量や管理の複雑さが軽減され、業務の効率化が実現できる点です。企業は自身の成長段階や業界に応じて、適切なクラウド会計ソフトを選び、バックオフィス業務の効率化を進めることで本業に集中できる環境を整えるべきです。